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研究報告

住友化学 技術誌  2002 - I (2002年5月30日発行)

合成高分子材料の構造解析

最近の高機能性高分子材料は耐熱性・耐溶剤性が高く分析・構造解析が困難であるが、 ポリマーの前処理や分析・構造解析手法に工夫を凝らすことにより詳細な解析が可能になってきた。本稿では、その例として、(1)超臨界流体による選択的分解反応を用いたコポリマーの新しい組成分析法、(2)高速溶媒抽出(ASE)法を用いた不溶・不融のポリマーからのモノマー・オリゴマー成分の抽出・分析法、(3)ポリマーの末端構造や配列規則性を高磁場核磁気共鳴(NMR)法で解析する際に有効な手法(多次元NMR 法、WET法)について紹介する。

NMR分析における自動化のこころみ

有機合成において化学構造や反応機構の解明に最も有効な核磁気共鳴(NMR)分析手法について、 研究効率の向上を目的として当社で取り組んでいる「自動前処理ロボット(AutoPrep)を利用したNMR 測定自動化と集中体制化」および「NMR スペクトルの自動構造解析システムの導入と開発」について紹介する。
( page 13~22 by 藤田邦彦, 増井秀行, 森本真次 )

収束光顕微鏡 -装置の開発と応用展開-

独自の光学顕微鏡である収束光顕微鏡(CBOM)を開発した。通常の光学顕微鏡では試料を平行光で照明するのに対し、 収束光顕微鏡は収束光で照明する。このことにより回折像および光学像の両像を同一視野内で観察できる。さらに回折像の空間フィルタリングにより、 回折像に対応した新たなコントラストを光学像に付与することができる。本顕微鏡の原理、 特徴について述べ、 収束光顕微鏡で初めて解明された新規構造を中心に収束光顕微鏡について紹介する。
( page 23~31 by 内海晋也, 藤井丈志, 美濃部正夫 )

殺虫性ピリジルピリドン系化合物の発見とその有機化学的展開

新しい農薬の創製を目指し、 容易に入手可能な2、3-ジクロロ- 5 -トリフルオロメチルピリジンを用いて活性化合物の探索を行っていた。その過程で、 このピリジンと酢酸ナトリウムの反応により得られた副生物を単離・構造決定した結果、[1(2 H)-3、3’-ジクロロ-5、5’-ビス(トリフルオロメチル)-2’-ビピリジン]-2-オンが殺虫活性を有し、 新規な化合物であることが判明した。この化合物の構造展開によりいくつかの候補化合物を見出した。また誘導体合成展開時、 本化合物の特異な化学反応性および新規なペルフルオロアルキル化反応を発見した。
( page 32~43 by 坂本典保, 松尾憲忠 )

超臨界二酸化炭素に対する芳香族化合物異性体の溶解度の推算

超臨界流体に対する芳香族化合物とその異性体の溶解度推算法として、 多サイトモデルモンテカルロ法を提案し、 その効果を検討した。本法を用いれば、 グループごとに決められた共通のパラメータを用いて溶解度を計算でき、 さらに異性体の識別も容易にできることが示された。本稿で得られた結果は、 超臨界状態のように測定が難しい系や安全面で問題ある系の模擬実験として分子シミュレーションが代用できることを示唆するものである。
( page 44~50 by 森康彦 )

発達神経毒性研究-現状と課題-

発達神経毒性は、 重金属や化学物質などの曝露による胎児期あるいは生後発達期の神経系の構造および機能に対する有害作用である。近年、 化学物質がヒト、特に子供の発達に影響を及ぼす可能性に対する社会的な懸念が強まっている。化学物質の発達神経毒性評価は、 米国や経済開発協力機構の試験ガイドラインのもとに、 精度の高い評価が求められている。本稿では、化学物質の発達神経毒性ガイドライン試験の実際と問題点、 今後の発達神経毒性研究に対する私たちの取組みを紹介する。
( page 51~59 by 吉岡孝文, 小林久美子, 串田昌彦, 池田真矢, 佐々木まどか, 辻良三 )

【技術紹介】2-アミノ-6-クロロプリン(ACP)の製法開発

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