マラリア対策向け新規殺虫成分の現地試験を開始

2015年08月20日

住友化学は、国際的なNPOであるIVCC^※と共同で、マラリアなどの感染症を媒介する蚊を駆除する新たな殺虫成分の、アフリカでの現地試験を開始いたします。開発品は従来のマラリア対策用の殺虫成分と異なる作用機作を持っており、既存の殺虫剤に抵抗性をもつ蚊に対する効果や安全性について、研究室レベルですでに確認されています。

マラリアは、マラリア原虫に感染した蚊（ハマダラ蚊）に刺されることにより人に感染する病気で、世界で毎年約2億人が発症し、約58万人が亡くなっていると言われています。これまで、住友化学の「オリセット^®ネット」をはじめとする長期残効型防虫処理蚊帳や、室内残効性スプレーが普及することで、罹患率は大きく低下してきました。
一方で、サハラ砂漠以南を中心とした一部地域では、既存殺虫剤に抵抗性をもつ蚊の発生が確認されています。現在、WHOがマラリア対策向けに推薦している殺虫成分は4種類に区分されていますが、新たな分類の成分が約40年間登場しておらず、既存剤に抵抗性をもつ蚊が問題となる要因になっています。開発中の新規殺虫成分は、こうした抵抗性問題の解決につながることが期待されます。

これまで住友化学は、長年にわたって培ってきた化学合成技術や製剤化技術を生かして、昆虫媒介性感染症対策の各種製品を、この分野のリーディングカンパニーとして開発し続けてきました。専門的知見をもつIVCCのサポートも受けながら開発品の早期製品化に取り組み、今後もより一層効果的なマラリア、感染症予防に取り組んでまいります。

• IVCCは、画期的な製品の開発を通じて、蚊が媒介する疾病（マラリア、デング熱等）の感染を減らすことなどを目的として、2005年に「ビル アンド メリンダ ゲイツ財団」の支援を受けて設立された非営利団体です。製品開発に取り組む企業に対して、資金拠出や製品評価などの支援を行っています。

以上

<本日8/20は、世界モスキート・デー（蚊の日）です。1897年8月20日、イギリスの医学者ロナルド・ロスが、ハマダラ蚊がマラリアを媒介することを発見したことにちなんで、制定されました。>

本件につき、IVCCの所在地のイギリスで、現地時間8月20日に、添付の連名ニュースリリースを発表いたします。

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