バイオラショナル事業の強化~米社およびアルゼンチン社と契約締結~
2016年04月26日
住友化学の米国100%子会社であるベーラントU.S.A.社が出資するベーラント・バイオサイエンス社(以下、「VBC社」)は、このたび、バイオラショナル※分野の事業強化を目的に、米国のリドケム社とグローバルライセンス契約、アルゼンチンのリゾバクター社と研究開発および販売における提携契約をそれぞれ締結いたしました。
VBC社は、米国において、2014年の微生物農薬原体工場の新設や、15年の菌根菌事業を行うマイコライザル・アプリケーションズ社の買収、さらに、17年のバイオラショナルリサーチセンター建設予定など、近年もバイオラショナル分野で事業を拡大しています。また、住友化学は、同社とVBC社が個々に行っていた化学農薬とバイオラショナルの事業運営を一体化して、統括する体制を整え、農業分野におけるユニークで革新的なソリューションの開発を加速させています。
住友化学グループは、このたびの2社との契約締結によって新たな技術も加え、化学農薬とバイオラショナルの二つの技術をベースに、市場のニーズに対してこれまで以上に迅速・的確に対応することで、世界的に需要の高まる安全・安心な食糧の安定供給に貢献してまいります。
1.リドケム社とのグローバルライセンス契約
VBC社は、米国のリドケム社と、同社が保有する新規生物防除技術のライセンス契約を締結しました。この技術は、有益な土壌微生物の一種バチルス・アミロリケファシエンスを利用して、ユニークな作用機作で土壌病害を防除し、トウモロコシや大豆等の作物の生産性を向上させるものです。VBC社は、ベーラントU.S.A社と共同で、この技術を利用したセンチュウ防除目的の種子処理用農薬を開発し、本年中に米国での登録取得を計画しています。ベーラントU.S.A.社は、これまでに確立した種子処理用農薬ポートフォリオに、センチュウ防除目的の微生物資材を追加して、事業拡大を図り、VBC社は、さらに用途や販売国の拡大を目指し、新規製剤の研究開発にも取り組みます。
2.リゾバクター社との提携契約
VBC社は、アルゼンチンのリゾバクター社と、根圏におけるバイオラショナル分野での長期的な協力関係を構築することに合意し、契約を締結しました。リゾバクター社は、作物による効率的な窒素吸収を可能とする根粒菌を含む微生物資材や、微生物による植物病害防除資材の事業を展開しており、両社それぞれが保有する技術をさらに発展させることで、次世代の根圏製品の研究開発に共同で取り組みます。販売機能はベーラントU.S.A.社が担い、まずは米国、カナダ、メキシコでの販売を目指します。
リドケム社の概要
会社名 | LidoChem, Inc. |
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所在地 | 米国ニュージャージー州ハズレット |
社長 | Don Pucillo |
事業内容 | 基礎化学品の販売、ならびに肥料、農薬、微生物農業資材の研究・開発・製造・販売 |
リゾバクター社の概要
会社名 | Rizobacter |
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所在地 | アルゼンチン ブエノスアイレス州ペルガミノ |
社長 | Ricardo Yapur |
事業内容 | 微生物農業資材の研究・開発・製造・販売 |
VBC社の概要
会社名 | Valent BioSciences Corporation |
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所在地 | 米国イリノイ州リバティーヴィル |
設立 | 2000年1月 |
社長 | Andrew Lee |
事業内容 | バイオラショナルの研究・開発・製造・販売 |
持株比率 | ベーラントU.S.A.社100% (ベーラントU.S.A.社は、住友化学の100%子会社) |
- 住友化学グループでは、天然物由来などの微生物農薬、植物生長調整剤、微生物農業資材等や、それらを用いて作物を病害虫から保護したり、作物の品質や収量を向上させたりするソリューションを「バイオラショナル」と定義しています。
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