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繊維用途向け樹脂製蓄熱材が高機能寝具の中綿に採用 ~新ブランド「コンフォーマTM」発売開始~

2020年10月22日

住友化学が開発した樹脂製蓄熱材「コンフォーマTM」が、このたび、大手寝具メーカーの高機能掛け布団の中綿に採用されました。この先、衣料やカーペットなどさまざまな繊維製品への展開を目指します。

「コンフォーマTM」は、相変化※1を利用して20~50℃の範囲内の所望の特定温度域で熱の出し入れができるよう設計された繊維向け樹脂製蓄熱材です。パラフィン(石ろう)など従来からある低分子系蓄熱材は、蓄熱時に生じる相変化によって液化するため、漏洩防止を目的としてカプセルに封入し繊維表面に付着させたり、繊維に練り込んで使用する必要があります。しかし、「コンフォーマTM」は、蓄熱する温度域で固体状態を維持するため、そのまま繊維の形態で使用することができます。また、細長い繊維にするために成形安定性を高めた樹脂設計をしており、ナイロンやポリエステルといった一般的な合成繊維と同様に、生産効率の高い溶融紡糸法※2での量産が可能です。そうした特性を生かして、繊維化した「コンフォーマTM」を布団の中綿に使用することにより、周辺環境の温度変化に対し布団と人体との間の空気層を快適な温度に維持できるため、羽毛に代わる合成繊維の中綿設計に寄与する重要な素材として評価され、今回の採用に至りました。

 通常の不織布:ポリエステル繊維などを使用した中綿
 蓄熱不織布  :樹脂製蓄熱材からできた繊維を使用した中綿

近年、生活の質(QOL)向上へのニーズの高まりから、快適性を追求した機能性繊維の開発が進められており、「コンフォーマTM」は、そうした機能性繊維と組み合わせることでも相乗効果を生むと考えています。例えば、防寒肌着などに使われる吸湿発熱繊維は人体から発せられる汗を吸って発熱する素材ですが、この発熱を「コンフォーマTM」が蓄熱して暖かく感じる時間を長続きさせたり、夏季向けの接触冷感繊維と組み合わせて涼しさをさらに向上させる効果が期待できます。また、人や社会、環境に配慮したエシカル消費の観点からは、羽毛の代替素材としての活用も見込まれます。寝具や衣料のほか、快適さや省エネに資するその蓄熱性能を生かして、カーペットやカーテンをはじめとした幅広い繊維製品への適用に向け、現在、複数の企業と用途開発を進めています。

住友化学は、これからも市場の潜在ニーズを発掘し、既存事業の枠を超えた新たなアプリケーションへの展開につながる新規製品・技術を開発することで、サステナブルな社会の実現に貢献できるソリューションを提供してまいります。

※1 熱の出入りに伴って、物質の状態が変化すること
※2 原料を熱で溶かした状態で、口金から押し出して繊維状にした後、冷やして固める方法

以上

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
〒104-8260
東京都中央区新川2-27-1 東京住友ツインビル(東館)
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