米国で新規植物生長調整剤「アクシード」の農薬登録を取得 ～モモやリンゴを対象として栽培の省力化および果実の質を向上～

2021年07月27日

住友化学は、このたび、米国において新規植物生長調整剤「アクシード（Accede^TM）」（製品商標名。有効成分：1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸（ACC））の農薬登録を取得いたしました。

アクシードは、住友化学がA2020（2020年代の前半に登録申請を開始するパイプライン）におけるバイオラショナル^※1の一つとして開発した植物生長調整剤に分類される摘果剤^※2です。効果的な剤の種類が乏しいモモやネクタリンを含む核果樹のほか、リンゴでは栽培初期から後期まで幅広い期間で適用が可能です。アクシードを処理すると、有効成分であるACCが植物中で落果を促進する物質であるエチレン^※3へと変換され、収穫時の果実に残りません。また、手作業への依存度が高い摘果作業を代替できるため、栽培の省力化および果実の質の向上につながります。

アクシードの米国での登録は、住友化学、当社の100%子会社で北米における農薬の開発、販売を手掛けるベーラントU.S.A.社（米国カリフォルニア州、以下「VUSA」）、およびVUSAの100%子会社で当社グループにおいてバイオラショナル事業の中心企業であるベーラント・バイオサイエンス社（米国イリノイ州）による10年以上をかけたバイオラショナルのグローバルな研究開発の集大成です。アクシードは、VUSA内にあるSSBU^※４を通じて、21年度内をめどに米国で販売を開始する予定です。また、カナダでの登録に向け、現在当局による審査が進んでいるほか、この先、欧州や中南米などにおいても、登録申請を計画しています。

住友化学は、引き続き、生物多様性に配慮した持続的な農業に貢献するため、バイオラショナルと、格段に環境負荷を低減する革新的な化学農薬の研究開発に注力し、新たなソリューションを農業生産者に提供することで、世界的に需要の高まる安全・安心な食料の安定供給に貢献してまいります。

※1　住友化学グループでは、天然物由来などの微生物農薬、植物生長調整剤、根圏微生物資材や、それらを用いて作物を病害虫から保護したり、作物の品質や収量を向上させたりするソリューションをバイオラショナルと定義しています

※2　個々の果実に十分な養分や日照を与えて生長促進や品質を確保することを目的に、果樹1本あたりの過剰な果実を取り除くことを摘果、その作用のある製品を摘果剤といいます

※3　天然の植物に広く存在している生理活性物質

※4　サステナブル・ソリューション・ビジネスユニット（Sustainable Solutions Business Unit）。北米、南米、欧州の農薬事業を統括している子会社に設置しているバイオラショナル製品の販売やサービスの提供に特化した組織

以上

お問い合わせ

住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部
〒104-8260
東京都中央区新川2-27-1 東京住友ツインビル（東館）
TEL：03-5543-5102
FAX：03-5543-5901