ノルウェーのヤラ社とクリーンアンモニアの活用推進に向けた検討を開始
2021年12月10日
住友化学は、このたび、世界最大規模のアンモニア製造会社であるノルウェーのヤラ・インターナショナル社(以下、「ヤラ社」)と、クリーンアンモニア※1の活用推進に向けた検討を開始することで合意いたしました。
水素と窒素で構成されるアンモニアは、2019年に世界で約2億トンが生産されており、約8割が肥料として、残りの約2割は主に、アクリロニトリルやカプロラクタムといった合成繊維向けをはじめとする石油化学製品の原料として使用されています。また、カーボンニュートラルの実現に向けた動きが世界的に活発化する中、アンモニアは、燃焼しても温室効果ガス(GHG)であるCO2を排出しないため、火力発電の燃料として石炭火力に一定量を混ぜる混焼や、単独でエネルギー源とする専焼の技術開発が進められているほか、水素を貯蓄・輸送するための手段としても注目されています。
住友化学は、18年10月に総合化学企業として世界で初めてScience Based Targets(SBT)※2イニシアチブによる認定を取得しました。その中で、当社グループとして、GHG排出量を30年度までに13年度比で30%削減する目標を掲げてさまざまな取り組みを進めており、現在、さらなる目標の上積みを検討しています。当社は、今回の合意を契機として、ヤラ社が今後生産するクリーンアンモニアを石油化学製品の原料に用いることや、工場における燃料転換のためのクリーンエネルギー源の一つとして活用することなどの検討を開始します。さらに、日本でのクリーンアンモニアの普及に向けて、当社が愛媛工場に保有する国内最大級のアンモニア貯蔵設備の活用をはじめ、ヤラ社との協業の可能性を検討していきます。
住友化学は、「事業を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念の一つに掲げています。これからも、グループを挙げて経済価値と社会価値を一体的に創出し、持続的な成長とともに、サステナブルな社会の実現への貢献を目指してまいります。
※1 太陽光や水力発電などの再生可能エネルギー由来の水素で作った「グリーンアンモニア」や、化石資源を原料としたアンモニアのうち製造段階で生じる CO2 を回収利用するなどしてCO2排出量を実質ゼロにした「ブルーアンモニア」などの総称
※2 パリ協定を実現するため、企業が気候科学に基づき設定した高水準なGHG削減目標
ヤラ・インターナショナル社の概要
会社名 |
Yara International ASA |
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本社所在地 | ノルウェー オスロ |
設立 | 2004年 |
社長 | Svein Tore Holsether |
売上 | 116 億米ドル (2020年度) |
事業内容 | 窒素肥料製造、アンモニア製造 |
アンモニア生産量 | 約850万トン/年 |
HP | https://www.yara.com/ |
以上
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