住友化学と丸善石油化学が取り組むケミカルリサイクル技術が NEDOによるグリーンイノベーション基金事業に採択

2022年02月18日

住友化学株式会社（本社：東京都中央区、社長：岩田 圭一、以下、「住友化学」）と丸善石油化学株式会社（本社：東京都中央区、社長：鍋島 勝、以下、「丸善石油化学」）は、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（以下、「NEDO」）が公募した「グリーンイノベーション基金事業/CO₂等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に、両社が共同で取り組む「廃プラスチックの直接分解によるオレフィン製造」（以下、「本事業」）を応募し、研究開発項目2「廃プラ・廃ゴムからの化学品製造技術の開発」の一つに採択されました。

プラスチックは身の回りのさまざまな用途に利用されている一方、環境へ排出される廃プラスチックの削減や、化石資源を原料として製造することなどにより排出される温室効果ガス（GHG）の削減が、世界的に喫緊の課題となっています。これらの課題解決方法の一つとして、化石資源の代わりに廃プラスチックを原料として利用するケミカルリサイクル技術が挙げられます。中でも、国内の廃プラスチックの約60%を占める^※ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系プラスチックの高効率なケミカルリサイクル技術の開発が強く望まれています。

本事業で両社は、2030年までにポリオレフィン系廃プラスチックから、エチレンやプロピレンなどの基礎化学製品の原料を高効率で直接製造する技術の確立を目指します。住友化学は、20年3月から国立大学法人室蘭工業大学と共同研究を進めているケミカルリサイクル技術の開発を加速させます。丸善石油化学は、ナフサクラッカーの製造設備やその運転のノウハウを生かし、住友化学が取り組むケミカルリサイクル技術によって得られたエチレンやプロピレンなどの基礎化学製品の原料の分離・精製に関する検討や副生油の品質確認を行い、ナフサクラッカーで原料としての利用を検討していきます。

住友化学は、経営として取り組む重要課題（マテリアリティ）の一つに環境負荷低減への貢献を掲げており、その実現に向けて、他企業やアカデミアとの協業によりケミカルリサイクル技術の開発を進めています。また、21年12月には、50年カーボンニュートラルの実現に向けたグランドデザインを策定し、グループにおけるGHG排出量をゼロに近づける「責務」と、製品やソリューションを通じた社会のGHG削減への「貢献」の両面からの取り組みを推進しています。

丸善石油化学は、千葉の同エリアに2基のエチレンプラントを運営しており、脱炭素化に向けた取り組みは重要なテーマと認識しています。本事業を通して二酸化炭素排出量の削減を図り、将来的には二酸化炭素フリーのプラント技術および石化製品の供給を目指すことで、取引先を含めたサプライチェーン全体のカーボンニュートラルに取り組みます。

住友化学と丸善石油化学は、両者がこれまでに培ってきた技術・ノウハウを活用し、ポリオレフィン系プラスチックから基礎化学製品の原料を直接製造するケミカルリサイクル技術の早期社会実装に向けた取り組みを推進してまいります。

※　一般社団法人 プラスチック資源循環利用協会 プラスチックリサイクルの基礎知識2021

本事業の概要

事業期間　2021年度～2030年度（10年間）
事業イメージ図

ご参考

グリーンイノベーション基金事業概要
https://green-innovation.nedo.go.jp/about/

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