新規除草剤「ラピディシル®」の農薬登録申請を実施
~サステナブルな農業に貢献する大型製品への展開を目指して~
2022年04月26日
住友化学は、このほど、米国、カナダ、アルゼンチン、ブラジルにおいて新規除草剤「ラピディシル®」(有効成分商標。一般名:エピリフェナシル)の農薬登録申請を実施いたしました。
「ラピディシル®」は、住友化学が独自に開発した有効成分で、A2020(当社が2020年代前半に登録申請を開始するパイプライン)のうち最大のポテンシャルを持つ剤と位置付けています。PPO※1阻害剤と呼ばれる除草剤に属し、社内外での圃場評価において幅広い広葉雑草に優れた効果を示すことに加え、イネ科雑草に対しても効果を示す茎葉散布処理剤です。既存の除草剤と比べ、速効性に優れ、より少ない薬量で効果を発揮することから、サステナブルな農業が求められる世界的潮流の中で、環境負荷低減につながる新たな選択肢として期待されています。「ラピディシル®」を含有する製品は、各国での規制当局承認後の2020年代中ごろから順次、上市を見込んでおり、当社が持つグローバルフットプリント(自社事業拠点)を通じて、大型製品への展開を目指します。
今回、農薬登録を申請した北米や南米のダイズやトウモロコシなどの畑では、播種前に土を耕さない不耕起栽培※2が主流となっており、土壌の保全に加えて、耕した場合と比べて二酸化炭素の排出が抑制できるため、環境負荷の低い農法として注目されています。多様な雑草に効果を示す「ラピディシル®」は、作物播種前の雑草防除に相応しく、不耕起栽培に適した性能を有しており、カーボンニュートラルへの貢献が期待できます。また、住友化学とグローバルな協力関係を構築しているバイエル社が現在開発を進めているPPO阻害剤耐性作物と組み合わせることで、作物生育期での使用が可能となります。両社の知見を融合することで、農業生産者に次世代雑草防除体系※3の提供を目指します。
住友化学は、持続可能な農業に貢献するため、環境負荷を低減する革新的な化学農薬の研究開発に注力し、新たなソリューションを農業生産者に提供することで、世界の人口増加に対応した食糧の安定供給に貢献してまいります。
「ラピディシル®」の特長
・既存のPPO阻害型除草剤に比べ、より幅広い雑草に効果を示す
・ 効果発現が早い
・他タイプの除草剤に比べ、低薬量で有効
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処理時期
※1 葉緑体(クロロフィル)の生合成に関与する酵素「プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ」
※2 播種前に土を耕さず、農作物の枯葉や刈り株などを農地に残した状態で次の作物を栽培する方法。風雨による土壌の流出を緩和できるほか、土壌中の生物や微生物が増えるなどの効果があるとされる
※3 グリホサート、ジカンバなどの既存除草剤に続く新しい雑草防除体系
以上
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