住友化学とギンコバイオワークス、バイオものづくりの連携を強化
~合成生物学を用いた機能化学品の開発に着手~
2023年07月18日
住友化学株式会社
ギンコバイオワークス
住友化学株式会社(以下、住友化学)と米国ギンコバイオワークスは、バイオものづくりの連携を強化し、合成生物学を用いた機能化学品の開発に着手することにしました。
近年、バイオテクノロジーやデジタル技術の急速な発展により、遺伝子を設計し、目的の機能を有する細胞や生物を作り出す合成生物学がさまざまな分野で注目を集めています。特に、化学産業においては、化石資源を原料とした高温・高圧のプロセスからの脱却として、原料の代替や省エネプロセスを実現する潜在能力がある技術分野と期待されています。
ギンコバイオワークスは、2008年にボストンで創業した細胞・ゲノムの研究開発領域で変革を起こす合成生物学のパイオニア企業です。住友化学とギンコバイオワークスは、21年より化粧品などのパーソナルケア商品や農業および医薬関連製品といったライフサイエンス領域で、合成生物学を用いた研究開発を行ってきました。今回、機能化学品の量産化に向けたプロジェクトに着手するため、新たに共同研究契約を締結いたしました。
今回の取り組みで、ギンコバイオワークスは、菌株※1設計の技術を生かし、商業化に必要な菌株開発を担い、住友化学は、製造プロセスの開発およびそのスケールアップによる商業化に向けた検討を行います。両社は、化石資源を原料とした製造方法に代わって、微生物の発酵生産によって機能化学品を量産化することで、よりカーボンフットプリント※2の低い製品を提供し、カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指します。
住友化学の副社長である上田博は、次のように語っています。
「化学品の分野では、環境負荷が低い製品および製法の開発が求められており、合成生物学を活用することで、化石資源からの原料代替と量産化が可能性になるものと考えています。合成生物学のパートナーとしてギンコバイオワークスとの連携を強化することで、化学産業でのゲームチェンジャーとなり得る革新的な技術の開発を加速してまいります。」
ギンコバイオワークスのCEO兼共同設立者であるジェイソン・ケリーは、次のように語っています。
「住友化学はギンコバイオワークスの大切な長期的パートナーであり、私たちは、複数の産業分野にバイオ技術を用いた製品を導入するため、これまで共同開発を進めてきました。このたびの両社の連携強化を通じて、取り組みの領域を拡大し、より持続可能な製品を生み出すことを目指しています。また、私たちは、住友化学とのユニークなコラボレーションによる成果を誇りに思っており、両社にとって興味深い製品をさらに開発中です。」
※1 特定の微生物種の個体または集団
※2 原材料の調達から製造や使用、廃棄に至るまでの製品ライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガスの排出量をCO2排出量に換算して表したもの
住友化学について
エッセンシャルケミカルズ、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5部門にわたり、幅広い産業や人々の暮らしを支える製品をグローバルに供給する日本の総合化学メーカーです。2022年度の売上高は約2.9兆円、従業員数は約3万3500人です。
https://www.sumitomo-chem.co.jp
ギンコバイオワークスについて
欧米に研究拠点を有し、世界最大規模のゲノム開発事業を展開しています。合成生物学を応用し、食品や農業から工業用化学品、医薬品まで、さまざまな業界のユーザーに製品を提供しています。
https://www.ginkgobioworks.com/
(ご参考)
2022年7月18日ギンコバイオワークス ニュースリリース
2021年6月7日ギンコバイオワークス ニュースリリース
以上
本リリースに関するお問い合わせ先
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住友化学株式会社
コーポレートコミュニケーション部E-Mail:sumika-kouhou@ya.sumitomo-chem.co.jp
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ギンコバイオワークス
E-Mail:press@ginkgobioworks.com