欧州農薬事業のさらなる拡大に向け、再編・M&Aも視野に農薬販売2社を完全子会社化
2025年01月30日
住友化学は、このたび、連結子会社であるフランスの販売会社 Philagro Holding, S.A.(以下「フィラグロ社」)の全株式を取得いたしました。また、同じく連結子会社であるスペインの販売会社 Kenogard, S.A.(以下「ケノガード社」) についても、全株式を取得することについて、他株主と基本合意に至り、24年度中に契約締結の予定です。今後、欧州における再編やM&Aも視野に入れつつ、当社グループとの一体運営を強化し、同地域でのさらなる事業拡大を目指します。
フィラグロ社とケノガード社はともに、農薬を中心とした農業用資材を扱う販売会社です。フィラグロ社は1993年に設立され、日産化学株式会社および日本農薬株式会社との合弁会社としてフランス国内での販売を担ってきました。また、ケノガード社は1992年に当社を含む日本企業数社で買収し、現在は日産化学株式会社との合弁会社としてスペインおよびポルトガルにおける販売を担っています。住友化学は両販売会社を、世界有数の農業大国であるフランスおよびスペイン※1における重要な販売拠点として位置付けてきました。
欧州は、中南米・アジアに次ぎ、北米を凌ぐ農薬の巨大市場※2です。同地域では厳しい環境規制が強化されており、今後の農業生産を支える柱としてバイオラショナル※3への期待が高まっています。こうした中で、住友化学は、環境負荷の低い化学農薬に加え、バイオラショナルの幅広いラインアップを有することで、同地域における強固なプレゼンスを築いてきました。
住友化学は、販売2社の完全子会社化を皮切りに、欧州におけるフットプリント(自社事業拠点)、ポートフォリオの強化へ向けた取り組みを加速します。欧州・中近東・アフリカ地域の農薬事業を統括するSumitomo Chemical Agro Europe, S.A.S.(以下「住化アグロヨーロッパ社」とフィラグロ社の一体運営を進めるとともに、再編やM&Aも視野に、事業のさらなる拡充を図ります。また、現在開発を進めている複数の大型殺菌剤などの化学農薬事業およびバイオラショナル事業のシナジー拡大にも取り組み、同地域における農薬関連事業全体で、2030年に現在の2倍以上の売上収益を目指します。
住友化学は、これからも、持続可能な農業と世界の食糧の安定供給に貢献してまいります。
※1 フランスは世界7位、スペインは14位。2カ国の農薬市場規模を合算すると、世界4位のアルゼンチンに並ぶ(AgbioCrop Market Review 2023より)
※2 欧州は中南米、アジアに次ぐ第3位。次いで北米、中近東アフリカ(AgbioInvestorより)
※3 住友化学グループでは、天然物由来などの微生物農薬、植物成長調整剤、根圏微生物資材などや、それらを用いて作物を病害虫から保護したり、作物の品質や収量を向上させたりするソリューションをバイオラショナルと定義
フィラグロ社の概要
会社名 | Philagro Holding, S.A. |
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所在地 | フランス リヨン |
設立年 | 1993年 |
会長 | 生嶋 伸介 |
事業内容 | 農薬および農業用資材の開発、販売 |
資本金 |
6,100千ユーロ |
持株比率 |
住友化学60%、日産化学30%、日本農薬10%(※本件実施前) |
ケノガード社の概要
会社名 | Kenogard, S.A. |
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所在地 | スペイン バルセロナ |
設立年 | 1981年 |
社長 | Ivan Ibanez |
事業内容 | 農薬および農業用資材の開発、販売 |
資本金 | 925千ユーロ |
持株比率 | 住友化学75%、日産化学25% |
住化アグロヨーロッパ社の概要
会社名 | Sumitomo Chemical Agro Europe, S.A.S. |
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所在地 | フランス リヨン |
設立年 | 1990年 |
社長 | Alberto Ancora |
事業内容 | 欧州・中近東・アフリカ地域の農薬事業統括、農薬および農業用資材の開発、販売 |
資本金 | 3,990千ユーロ |
持株比率 | 住友化学100% |
以上
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