トップメッセージ

住友化学は、1913年、別子銅山(現在の愛媛県新居浜市)で行われていた住友の銅製錬事業において生じた煙害を解決するために、原因となる銅鉱石中の硫黄分を取り出し、それを原料に肥料を製造する「住友肥料製造所」としてスタートしました。
住友には「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)という言葉がありますが、当社は創立以来、その事業精神を体現し、事業を通じて人々の豊かな生活を支えてきました。

現在当社は、長期的に目指す姿「Innovative Solution Provider」の実現に向け、「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」の4つの分野において、それぞれに紐づけた4つの事業部門を通じて革新的なソリューションを提供し、課題解決に貢献すべく取り組んでいます。

気候変動問題に対しては、早くから、「リスクへの対応」と「機会の獲得」の両面から積極的に取り組んでおり、2021年12月には「2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザイン」を公表しました。これまで総合化学企業として培ってきた技術力を活かし、「責務」として2050年までにGHGネットゼロを達成するという目標を掲げると共に、さまざまなステークホルダーと連携し、世界のGHG削減に貢献する製品・技術のいち早い社会実装を実現するという「貢献」を加速させます。

また、2025年2月に、人と自然が共生する社会の実現を目指し、「生物多様性行動指針」の改定を実施しました。同指針に則り、グローバル・ローカルの両方の視点を持ち、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーと相互の関係性を統合的に捉え、「責務」と「貢献」の両面から、自然を回復軌道に乗せるネイチャーポジティブに向けた取り組みを推進します。

安全・安定操業の確立と継続、コンプライアンスの徹底、ダイバーシティの着実な推進、バリューチェーン全体を通じた人権の尊重などの取り組みについては、社会からの信頼に応えることを重視する住友の事業精神に則り、着実に実施するとともに、グループ全体で一層のレベルアップを図ってまいります。

今後とも、皆さまのご理解とご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

社長執行役員
水戸 信彰