トップメッセージ

住友化学は、約1世紀前、愛媛県新居浜の別子銅山で発生した、銅の製錬の際に生じる排ガスによる煙害という環境問題を克服するために、銅鉱石から硫黄分を抽出して肥料を製造し、農産物の増産を図ることから誕生しました。住友には「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)という言葉がありますが、当社は創立以来、その事業精神を体現し、事業を通じて人々の豊かな生活を支えてきました。

近年、世の中のサステナビリティへの意識の高まりは、年を追うごとに加速しています。とりわけ、気候変動問題は喫緊の課題であり、世界各国でカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが急速に進められつつあります。当社は、2021年12月、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、取り組み方針や活動目標などをまとめたグランドデザインを策定し公表しました。グループのGHG排出をゼロに近づける「責務」と、グループの製品・技術の普及による社会のGHG排出削減への「貢献」の両面から、これまで総合化学企業として培ってきた技術力を活かした、住友化学らしい取り組みを進めてまいります。

一方、安全・安定操業の確立と継続、コンプライアンスの徹底、ダイバーシティの着実な推進、バリューチェーン全体を通じた対応が強く求められている人権の尊重などについては、これまでと同様、事業継続のために不可欠なものと捉え着実に取り組み、グループ全体で一層のレベルアップを図ります。

今後に向けて、気候変動への対応を含めた生態系の保全はもとより、環境への配慮を基本としつつ、よりよい社会、より健康的な生活の実現に取り組むといった、広い意味での環境意識の向上が求められつつあります。当社は、そういったグリーントランスフォーメーションの観点から当社事業を絶えず変革し強化し続けることで、環境・食糧・ヘルスケア・ICT関連の重点分野において、事業を通じて社会課題の解決に貢献してまいります。

今後とも、皆さまのご理解とご支援のほど、よろしくお願いいたします。

代表取締役社長 社長執行役員
岩田圭一