スミカエクセル PESは市販の一般的な接着剤(例、表1)が使用できます。
表1 接着剤
種類 | 名称 | メーカー | |
---|---|---|---|
エポキシ系 | 2液タイプ | アラルダイト AW136、AV138 | ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ |
エコボンド 104、144B | エマーソン&カミングジャパン | ||
アミコン 316 | グレースジャパン | ||
1液タイプ | スミマック ECR9000系 | 住友ベークライト | |
アラルダイト XN1244 | ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ | ||
テクノダイン AH-3063R | 田岡化学 | ||
ゴム系 | ハマタイト PL605-50 | 横浜ゴム | |
ポリイミド | サーモケット CS-170 | 東レ |
表2 各接着剤の接着強度 | (単位:MPa) |
接着剤 | キュア条件 | 4100G | 4101GL30 |
---|---|---|---|
アラルダイト AW136、AV138 | 120℃×1hr | 3.0 | - |
エコボンド 104 | 180℃×1hr | 5.4 | 8.8 |
エコボンド 144B | 150℃×1hr | 2.0 | 3.5 |
アミコン 316 | 150℃×1hr | 3.2 | 7.4 |
スミマック ECR9000系 | 100℃×1hr | 4.6 | 6.7 |
ハマタイト PL605-50 | 250~300℃×5min | 13.0 | - |
サーモケット CS-170 | 70℃×1hr→180℃×3hr | 4.1 | 8.1 |
スミカエクセル PESは非晶性の樹脂であるため、スミカエクセル PES同士の超音波溶着は比較的簡単に行うことができます。溶着の組み合わせは、
1.ナチュラルグレード同士
2.ナチュラルグレードと繊維強化グレード
3.繊維強化グレード同士
の3通りが考えられますが、1が最も容易で、かつ溶着強度も大きくなります。しかしながら、2、3のケースでも十分な溶着強度を示し、結晶性の樹脂(例えばPPS)に比べて溶着性は優れています。
超音波溶着の条件は、ホーン出力、製品形状、溶着面積およびグレード等により変化しますが、標準的な条件は以下のとおりです。
表3 超音波溶着の標準条件
圧力(MPa) | 30~60 |
---|---|
振幅(μm) | 50~80 |
溶着時間(sec.) | 0.1~2.0 |
超音波溶着後のせん断強度の測定結果を以下に示します。試験方法および試験片は以下のとおりです。
超音波ウエルダー
SONOPET-1200B(精電舎電子工業株式会社)
公称出力: | 1200W |
振周波数: | 19.5kHz |
加圧力: | 75% |
振幅: | 34μm |
図1 溶着部せん断強度測定用試験片
表4 溶着部せん断強度 | (単位:N) |
発振時間(sec.) | |||
---|---|---|---|
0.1 | 0.2 | 0.3 | |
PES 3600G | 680 | 700 | 溶着部以外で破断 |
PES 3601GL20 | 660 | 850 | 溶着部以外で破断 |
PES 3601GL30 | 740 | 830 | 溶着部以外で破断 |