スミカエクセルPESは非晶性の樹脂であるため、スミカエクセルPES同士の超音波溶着は比較的簡単に行うことができます。溶着の組み合わせは以下の3通りが考えられます。
1が最も容易で、かつ溶着強度も大きくなります。しかしながら2、3のケースでも十分な溶着強度を示し、結晶性の樹脂(例えばPPS)に比べて溶着性は優れています。
超音波溶着の条件は、ホーン出力、製品形状、溶着面積およびグレード等により変化しますが、標準的な条件は以下のとおりです。
表5-3-1 超音波溶着の標準条件
圧力(MPa) | 30~60 |
---|---|
振幅(μm) | 50~80 |
溶着時間(sec.) | 0.1~2.0 |
超音波溶着後のせん断強度の測定結果を以下に示します。試験方法および試験片は以下のとおりです。
超音波ウエルダー
SONOPET-1200B(精電舎電子工業株式会社)
公称出力: | 1200W |
発振周波数: | 19.5kHz |
加圧力: | 18N |
振幅: | 34μm |
図5-3-1 溶着部せん断強度測定用試験片
表5-3-2 溶着部破壊時の最大荷重(引張せん断試験)
(単位:N)
発振時間(sec.) | |||
---|---|---|---|
0.1 | 0.2 | 0.3 | |
3600G | 680 | 700 | 溶着部以外で破断 |
3601GL20 | 660 | 850 | 溶着部以外で破断 |
3601GL30 | 740 | 830 | 溶着部以外で破断 |